ボーイズビーアンビシャス


昼からリハーサル、そして出勤終わって帰ろっと思って、チャリンコで駅前公園前ダラダラ走ってると「すいません、ちょっといいですか」って若い男に話しかけられて「どうした?勧誘?」って振り返ると「あの僕、さっきまで飲んでたんですけど、気づいたらそこで寝てて、起きたら財布とか携帯とか、全部無くなってて。もしかしたら、友達が持ってるかもしれなくて、電話だけでいいんで、掛けさせてもらえないですか?」と絶望的な顔で言われた。


それで私のPHS出して渡すと、番号ピピピッて打って掛けるんだけど「出ませんでした・・」ってめちゃくちゃ落ち込んでて、「警察行った?」って聞いたら「行ったんですけど、個人での問題は事件性がない限り動けないんだよ、って言われて。とりあえず明日大学の授業があるんで、そこまでは歩いて行けないこともないので。」「え、家どこ?」「千葉です」


さすがに無理ゲーだろと思い「てか私お腹すいてるんだけど、ご飯食べない?」って言って一緒に磯丸へ。大学2年生の社会学部で、塾講師のバイトをしてるという。今日は野球サークルの飲み会で潰れ、そのまま仲間とも記憶ともおさらば。


ばくばく食べながら黒ホッピー呑んで、しばらく話してたら電話鳴って、財布とか全部友達が預かってることが判明した。そんで眠いから「うち泊まってきなよ」っつって、チャリンコの後ろにその子乗せてアパートに帰った。なんかビビってて面白かったから「これからあなたを部屋に入れるに当たり、私があなたに求めることは一切ありませんから」とわざわざ敬語で言ってみたら、さらにピリついた。そのままリビングにマットレス敷いて寝かせて、さっき起きた。シャワー貸してついでに電車賃あげたら


「今、改めて思ったんですけど、あ、俺何もないんだって。自由?・・不自由っすかね、逆に。」


という哲学的な問いを残して、彼は部屋を出ていった。




ベルギーの友人から教えてもらった本



川村美紀子

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