どん底を探せ


6年間使い続けたポータブルWi-Fiが寿命を迎えた。下町の電気屋店員による「長い間お使いくださって、本当にありがとうございました」という業務的な社交辞令にウルッときてしまうチョロい私は、この小さな機器ごときにやたらと感傷的になってしまったりするのであった。


そんな日に限ってお茶で、池袋の中心で愛を叫ぶ。「助けてくださーい・・」という私のウイスパーボイスも、雑踏に紛れ街の一部となって流されてゆく。妙に需要があっても戸惑うが、ないなら無いでそれなりに落ち込んだりもする。無常だ。


アパートへ戻ると、向かいの部屋に住んでいる外国人が今日も山崎まさよしを弾き語りしていた。廊下に響き渡るほど馬鹿でかい歌声にありがとう!という気持ちになるので、玄関に置いてある牛乳ボックスにいつか小銭を入れようと思う。さて、これから深夜のお茶会。このごろは感情に飲み込まれそうなことばかり、癒されよ。





川村美紀子


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