キス&クライ


そこはかとなく落ち込む出来事が続いた日だった。わかりあえないと知っているのに、それでもわかりあおうと歩み寄った結果の負の連鎖。私の伝えようとする努力の方向性が、根本から間違っているのかもしれない。哀しいでも虚しいでもなくただただ憂うとき、私はこうしてITOKIの回転椅子にちいさく体育座りして顔をうずめるのだった。


気を取り直して、謎のダンス会議に出席。目の前の振付家がちゃんとした大人で、普通にイケメンで見惚れた。危ない・・みんな賢いなと思う。小さじ一杯分のやさしさと厳しさをわきまえている。私はひとりおいてけぼりで、話についていくのに精いっぱいだった。否定されるのも嫌だし勝手気ままに言葉を投げ捨てるしで、まるで意地の悪い子供のようであった。雨を浴びて、自転車で帰った。


ふと「バカにするのも良い加減にして」と泣きさけぶ母の声が聴こえた。馬鹿にしないと構ってくれないでしょう、ママ。幼い私はそう思いながら、四半世紀たった今でも同じ瞳で他人を見つめている。何度もなんども同じ日に誕生日が来るだけで、大人になれないと思う。身体から無自覚で悪質ないたずらを吸い取ったら、もう何も残らないような気分だ。こんな言葉らを書いてしまうこと自体、人前に立つ資格が疑われる。明日はいい日になると信じて、お風呂はいって寝よう。





川村美紀子


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